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【我が家の庭に住み着いた猫の話】片前足を引きずって帰ってきた日のこと

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暑さもすっかり遠のき、秋の空気と冬の到来を感じ始める季節になりましたね。冬生まれということもあり、僕はこの季節のほうがなんだかんだで好きです。しかし、職場では季節の変わり目で体調を崩す方が続出しているようで、自分も気をつけなければなりませんね。

■吾輩は猫である、名前は一応ある

読書の秋という感じでもないのですが、最近は夏目漱石を読んだりしています。

さて、我が家の庭には10年ほど前に野良猫が子猫を産み落とし、そのままいついたいわゆる「半野良」のメス猫が一匹暮らしています。

生まれたときは虚弱体質で未熟児気味だったその一匹は、体も同世代の猫よりは一回り小さく、鳴き声も汚く、甘え方を知らない、わがままで臆病な奴です。

一時期兄弟も一緒にいましたが、みんな彼女を置いてどこかへ去って行きました。取り残された彼女は、多分野良として生きても一年持つか持たないかだったと思います。

住み着いた経緯も、親兄弟猫が去ったあとはこの庭がそのまま彼女のテリトリーとなり、人の気配があるおかげで、他の猫が干渉しにくいからといった、割と打算的な理由なのかもしれません。

関係も、飼い猫というより隣人に近いと思います。日中は近所を散歩してるようですが、家に人の気配を感じると即座に戻ってこれる範囲をうろちょろしてるだけのようです。

あとは、6割ぐらいの確率で庭の用具棚の上でずっと眠っているようです。

ただまあ、10年も一緒にいると、さすがにお互いだいぶ近しい間柄になっており、部屋には我が物顔で入ってくるし、ふてぶてしく要求してくるごはんを普通に与えているため、飼っているのと大差なかったというか、客観的に見ても無責任な部類の飼い主だなという自覚もありました。

それでも適度にじゃれついたり、逆にわがままをやったりと、我が家にとっては家族の一員になっていました。

■怪我をしてた日のこと

そんなある日、いつもの散歩から帰ってくると、その子が片前足を引きずっていました。臆病な性格なので10年来、そういった怪我をしてこなかっただけに、最初のうちは何事か、どうすれば良いのかと、とまどってしまいました。

すぐに調べてみると、猫が脚を引きずるのは捻挫や脱臼あるいは骨折の可能性があるということで、ここで初めて動物病院に連れて行くかという選択肢が生まれました。

そのためには何が必要か、どのような手段で連れて行けば良いのか、という事態に相成ったわけです。つまるところ、中途半端に飼っていたツケが今になって回ってきたのです。

慌ててキャリーバッグやらなにやら買いに行き、病院を調べ、その際に何が必要になるのかてんやわんやしました。備えていればこんなことにはならなかったのでしょうね。ちゃんとした飼い猫なら、そういうのにも慣らしておく必要があります。

また、うちのに限らず、猫は自分のテリトリーから離れるのを恐れる生き物で、脚は痛いわ、いつもの人たちは自分をどこかに連れて行こうとするわで、凄まじいストレスを感じており、今まで聴いたことのないような声で叫ぶわで、さあ大変。

パニックで極度に暴れなかったのは、利巧というより脚が痛いから無理したくなかっただけだと思います。「カワイソー」と思うのは人間側の都合で、当人にとってはただ恐怖でしかなかったことでしょう。

さて、病院に到着して獣医さんに診断してもらおうとバッグを開けたら、診察室を逃げ回るという事態に。

獣医さんと助手の方とで、なんとか取り押さえて床の上で診てもらうという(大変申し訳ないのですが)シュールな光景に。

この時点で「こんだけ元気に走り回れるなら骨折や脱臼はまあないですね。たぶん炎症でしょう」とのこと。

放し飼いの猫にはよくある話のようで、縄張り争いなどで他の猫と喧嘩をし、その時の引っかき傷にばい菌が入って炎症を引き起こすそうです。

外を歩く猫の爪というか手には歩いてきた場所から大量の汚れや菌を付着させており、その爪で引掻かれるとそこから菌が入って炎症を起こすというお話です。人間もちょっとした傷から患部がパンパンに腫れることがあるのと同じです。

また獣医さんの話では、猫と言う生き物は表皮の再生が人間よりもずっと早く、猫同士の喧嘩の傷なら即座に塞がるとのこと。

そのため、一見して外傷がないように見えても、その実、皮膚下にはばい菌を閉じ込めてしまってます。そこから炎症を起こして、痛む部分をかばった動作になったりするそうです。

次の段階で化膿して膿ができ、それが流れ出れば痛みは引くそうですが、そこが傷跡として残るそうです。

ただし打ちどころが悪いと患部から化膿した毒が体内に入って、最悪死に至ることも。外を出歩く猫の死亡原因の第1位は「交通事故」で、その次が病気や怪我の悪化だそうです。

その余談として、縄張りのボス猫は、だいたいこの喧嘩して傷ついては化膿を繰り返しているらしく、運よく生き延びた歴戦の猫ともなると、顔をはじめとする正面部分がパンパンになり、皮膚も靴底みたく分厚くなり、文字通り面の皮が厚くなってるそうです。

さて、うちの猫と言えば、ひとまず抗生物質を注射してもらい、薬を飲ませて一週間ほど様子を見ましょうとのこと。化膿が出なかったり、普通に歩けるようになってたら、もう診せに来なくても大丈夫ですよとのこと。(流石に迷惑だったかな・・・)

診察料は1,000円ちょいと、想像してたよりずっと安くて驚きました。

■これから先のこと

それから数ヶ月。薬を貰った翌日から普通に歩き始め、これまで通り相変わらずふてぶてしい態度で飯をたかる我が家の猫の姿が。

あれから特に後遺症などもなく、いつもの調子に戻っていました。(流石に病院から連れ帰った当日は、すごい怒ったり怯えたりしていましたが。スマン)

いつもの調子に戻ってひとまず安心はできたのですが、改めて考えると10歳という歳は猫にとっては人間換算で50台後半から60という年齢。なんだかんだ身体にガタが出て、少しずつ今までできてたことができなくなっていく頃合です。

今後はさらに怪我やら病気の頻度も増していくかもしれません。今はまだそれなりに我が家にいるほうが安全だと当人(猫)は思ってくれているみたいですが、本格的に身体が動かなくなった時、彼女は果たして自分たちの目の届く場所にいてくれるのでしょうか。

猫は自分が弱っていくと、身の安全のために姿を隠して、最終的には人目のつかないところで死ぬと聞きます。

半野良という性質上、人間がどんなに可愛がっていたとしても、最期は姿を消す可能性を否定できません。信用や信頼という言葉は結局のところ人間が持つ概念でしかないのです。彼らには彼らなりの生きざまや思うところがあり、それに従って生きていき死んでゆくのです。

10年間こうした付かず離れずな付き合い方をしている以上、今さらこの関係を変えることも難しく、結局は彼女の判断に委ねることになるのでしょう。

怪我をした一件は、そうした先のことについて真面目に考えさせられる出来事でした。願わくば、最期のその時まで、私たちの目につく場所にいて欲しいものです。

・・・いて欲しいものなのですが、新調したばかりのPCの上に乗っかるのはやめて欲しいものです。(フィルターに!毛が!溜まる!)

あとスマホいじってる時に、スマホに頭突きするのもやめて欲しいものです。ベッドの中央を占拠しないで欲しいものです。明け方に呼び出すのもやめて(以下略

写真を撮ろうとすると目を逸らす図。

女性スタッフ
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